活用事例
2025-03-25

地域医療を支える総合病院のManualForce活用

愛生館 小林記念病院では、診療報酬改定やシステム更新のたびに発生するマニュアル作成の負担を大幅削減。ManualForceの現場での意義とは

地域医療を支える総合病院のManualForce活用

医療法人愛生館 小林記念病院

医療法人愛生館 小林記念病院は、愛知県のケアミックス型の病院です。診療科目は多岐にわたり、地域の医療ニーズに幅広く対応。透析センター、栄養相談室、地域連携室、診療情報管理室の設置や地域包括ケアや回復期リハビリテーションなど、患者さんの早期回復と在宅復帰を支援する体制を整えています。加えて、​訪問看護や訪問リハビリなどの在宅介護サービスも提供し、地域医療に手厚く貢献しています。 

今回は、そんな愛生館小林記念病院の加藤様にお話を伺いました。

―まず初めに、加藤様が現在管轄されている業務内容や役割をお聞かせください。

加藤様:主に3つの役割を担っています。一つ目は診療技術部長として、薬剤師、管理栄養士、栄養士、調理師、検査技師、放射線技師、および関連する事務の管理をしています。二つ目は、健診センター副センター長として健康管理センターの管理をしています。三つ目は、法人全体の入退院状況を把握する総合連携室システム導入プロジェクトの責任者を務めており、kintoneベースのシステムを4月から導入予定です。

―3つの領域を同時に管理されるのは非常に多忙かと思いますが、その中で特にやりがいを感じるのはどのような場面でしょうか?

加藤様:健診センターでは、受診者の方が「来てよかった、病気が早く見つかってよかった」と喜ばれる声や、スタッフが「新しい知識を得られた」といった成長を感じる瞬間にやりがいを感じます。病院の現場では、例えば薬剤師が患者さんに薬の管理で感謝された時など、患者さんの満足やスタッフ自身の充実感を感じられることが何よりも嬉しいですね。

―患者さんやスタッフの喜びが直接感じられるのは、仕事への大きなモチベーションになりそうですね。

愛生館 小林記念病院

診療報酬改定に伴うマニュアルの課題

―一方で、ManualForceを導入する以前の業務には、どのような課題や悩みがあったのでしょうか?

加藤様:病院では文書ベースのマニュアルが浸透しづらいという問題がありました。特に、2年ごとに行われる診療報酬の改定によって書類作成や業務プロセスが頻繁に変わるため、そのたびにマニュアルを更新する必要があります。また、健診システムや連携推進システムなどの新規導入・バージョンアップ時にも操作方法が変わり、スクリーンショットを使った手順書作成に多大な負担がかかっていました。

最近はIT化が進み、電子的な操作を行う機会が増えたものの、操作方法を文字情報だけで共有するのは難しく、スタッフごとにマニュアルの作り方もバラバラだったんです。DX推進の一環で業務を効率化したいと思いつつも、変更点を正確に伝えるマニュアルが整備しきれないのが最大の課題でした。

―診療報酬の改定や新システム導入のタイミングで、毎回マニュアルを大幅に作り直すのは現場にとって大きな負担ですね。そうした状況がManualForceの導入で具体的にどう変わったのでしょうか?

加藤様:導入後はマニュアル作成の時間が従来の3分の1程度に短縮されました。例えば、スクリーンショットを貼り付けて説明文を書く作業が15分かかっていたのが、5分ほどで完了するようになったんです。実際、健診システムや連携推進システムのマニュアル作成時にも活用していて、特に健診システムについては、「予約」「保険」「マスター」等様々なシステムのコンポーネントがあり、それぞれのコンポーネントに対して担当が割り振られていますが、担当者全員から「早く作れてわかりやすい」という声が上がっています。また、新しいシステムの練習に伴って、操作をそのままマニュアル化できる点はマニュアル作成のハードルを大きく下げる要因だと思います。あとは、自動生成ができるので、スタッフ間で説明の仕方が統一でき、更新もスムーズに進められるようになりました。

―3分の1に作業時間が減るのはうれしい限りです。しかも更新が頻繁に必要とされる医療現場なら、特にその効果が大きそうですね。

スタッフの作業手順の標準化へ

―今後、ManualForceをさらに活用してみたいという業務領域はございますか?

加藤様:カルテ記載の作業時間を可視化して、生産性向上につなげたいですね。スタッフによってカルテ記載にかかる時間が大きく異なるので、操作手順を可視化すれば教育方法を見直せますし、業務効率を高めるヒントにもなると思います。また、電子カルテや新システムを導入した際に、手順書作成をすばやく行えるのは大きな利点なので、今後もマニュアルの標準化に活かしていきたいです。

―業務プロセスを可視化して改善につなげるという点は、医療現場に限らず多くの組織が目指すところだと思います。最後に、ManualForceの導入を検討されている方へのアドバイスがあればぜひお聞かせください。

加藤様:ManualForceの最大の魅力は、マニュアル作成へのハードルを下げることです。操作している画面をそのまま記録するだけで、誰でも簡単に手順書が作れます。これにより属人化が解消され、スタッフ全員が「作ってみよう」という意識を持つようになりました。医療機関のようにバージョンアップや改定が頻繁に行われる現場では、特に重宝すると思います。また、心理的な負担が減るとスピーディーに業務が進められますし、教育や引き継ぎもスムーズになるので、導入のメリットは非常に大きいと感じています。

―頻繁な改定・更新が求められる医療現場で、こうしてマニュアル作成の効率化と標準化を両立できるのは大変意義深いですね。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。